◼︎目標
もうすぐ春ですね。
新社会人の頃に「目標」「夢」はあっただろうか?
この先の人生について目標や希望などなかったし、特に夢もなかった。
私が目標を見つけたのは入社から約一年半後、
宇多田ヒカル楽曲が流れるエンドロールで涙を拭っていた時に一つの野望が芽生えた。
今は殆ど興味を失い全然見ていないが、仕事終わりの数少ない楽しみはアニメ・映画鑑賞。18年当時"宇宙よりも遠い場所(通称:よりもい)"や"ペンギン・ハイウェイ"など南極に関する作品が世に送り出されおり、当然の如くリアタイをしていた。ヤマトを見て海イスカンダルを目指したりワンピースを読んで海賊になった者は少ないだろうけれど、"よりもい"に影響された行動力あるオタク達は翌年辺りから悪名高きドレーク海峡に挑んでいた記憶がある。
時代が遡るが、2014年に高倉健追悼放送で南極物語を見たのは今でも覚えている。今でこそ南極といえばペンギンハイウェイ・よりもいと答えてしまいそうになるが、タロジロの物語は小学生の頃から知っている故にその比ではない。実話ベースの感動巨篇に勝る作品はないのだ。また、冒険・船旅への憧れは出崎監督版宝島(原作:スティーヴンソン)の影響が明らかに大きい。
かくいう私も遅咲きとはいえその一人に分類されるだろう。
_______
映画「ペンギン・ハイウェイ」(2018)
監督:石田祐康さん キャラデザ:新井陽次郎さん 脚本:上田誠さん
原作著者:森見登美彦さん
内容:アオヤマ君を中心に繰り広げられるSF超名作
_______
[https://penguin-highway.com/]
スタジオコロリドによる、この劇場用アニメーションが私にとっての起爆剤だった。
”たった一度見たり読んだだけなのに心に残る作品”って人それぞれ何かしらあると思う。個人的には中学生の頃にたまたま観た「鉄塔 武蔵野線(1997)」という実写映画が本当に忘れられないが、その次に「ペンギン・ハイウェイ」がランクインしてきた形になる。
シネスコ上で縦横無尽に駆け巡るアデリーは実在しない。まぁ生物としては実在しているし、広い大地で自由に生き抜くアデリーを現実で見ようものならば南極に行くしかない。ただ、南極に行くとしても今から海自に入る度胸もないし、観測隊に入るための学や職業スキルも持ち合わせていない。となると自費で訪問するか、ツアー参加の2択となる。旅行代理店HPをチェックをした際、チャーター機(IL-76)を利用する800〜1200万のツアーが目に入ったのを覚えている。まだ10代後半だった18年夏の話であるからしてお金なんぞあってないようなものだし、どう考えてもあまりにも高すぎる為一旦諦める事にした。
けれども南極へ行きたいという壮大な夢が、
夢だけが自分の中に残り、働き続けるための目標が出来た。
ではいつ行くのか?という問いに繋がるのだが答えは一択。
「会社を辞める時」これしかない!
その後数年は進展はなく、ひたすら貯金。 コロナ渦で外出機会が減ったこともあり軍資金を貯める事が出来た。[帰国した今は面影が無いくらいにすっからかんのカラカラ…という現状を当時の私自身へ教えたいものだ。]
_______________________
◼︎お気持ち表明の儀・再始動
お気持ち表明の儀。
2023年秋某日、この日が来てしまった。
心の底から辞めたいという訳でもなかったし、今からでも後戻りは出来るけれどこれが最初で最後のチャンスだと思った。自身の性格上、ここで決さなければ一生辞められないと分かっていたからだ。
お風呂に浸かりながらこの先どうしようと思い悩んでいた時に球戯場の誓いを思い出し、右脳内で押さえられていた南極への夢・希望・浪漫が一気に溢れ出てきた。そう、遂にこの時が来たのだ。
会社辞めるし南極行くぞ!!!
[救いようの無いバカとはこのことを指す]
◼︎ツアー選定
ざっくばらんに申しましょう。
Quark Expeditions社(以降クォーク社)によるスノー・ヒル島探検クルーズ(Emperor Penguin Quest: Expedition to Snow Hill)を選択した。理由はたった一つ、エンペラーペンギンを見れる(チャンス)があるから。
https://www.quarkexpeditions.com/expeditions/emperor-penguin-quest-expedition-to-snow-hill
1月末頃には早速行動を開始した。
当初別会社のツアーを申し込んでいたが、海外の紹介ブログやレビュー動画等を確認した時にどう考えても撮影者向きではないなと悩みはじめた。そんな時にクォーク社のツアーを発見。見学をするだけなら鞍替えする必要はないが「他参加者よりも良い写真を撮ったる」という厄介カメラマン思想と行程期間的問題が発生したため急遽キャンセルをお願いし、承諾していただけた。面目ない。
その後、3月にスノー・ヒル島探検クルーズを取り扱う旅行代理店へ問い合わせを行った。詳細については別記事化する。
また、『そういえばエンペラーではなくアデリーを見たいんじゃないのか?』という話になりそうだが、 それなりの理由がある。
今から25年前の1998年秋頃、”赤ちゃんペンギン”という一冊の写真冊子が発売された。
- 海洋写真家:中村庸夫さんが撮影を担当。
内容としてはエンペラーペンギンの赤ちゃんに注目したもので、67で撮影したと思われる素晴らしい写真が沢山収録されている。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784062664004
この本が私への誕生祝いとしてプレゼントされた。
幼児の頃から現代に至るまでの約23年間(2022年当時)不定期的とはいえ読み続けていた影響で自然とこうした光景を撮影してみたいという思いが湧いてくるようになり、高校2年生辺りで写真趣味の集大成に相応しい被写体は「エンペラーペンギンとその赤ちゃん」と意識するようになっていた。
そう、この本に出会いった事と写真という趣味を持っていなければこういう選択には至っていないだろう。[…これが英才教育………なのか?]
◼︎上記まとめ。
時系列
199X〜:エンペラーペンギン写真集(根幹)
2014〜:南極物語(高倉健追悼)
2018〜:ペンギンハイウェイ・宇宙よりも遠い場所(第一次起爆剤)
2020〜:配信視聴:宝島・南極物語・遊星X
2022〜:お気持ち表明の儀(第二次起爆剤)
2023〜:退職・計画実行
2024〜:ブログ開始
動機及び願望
エンペラーペンギン写真集 :エンペラーペンギン撮りたい
ペンギンハイウェイ :アデリーペンギン撮りたい
ハイウェイ・宇宙よりも遠い場所・南極物語 :南極行きたい
宝島 :冒険・航海したい
目的
写真撮影
「あたしぃペンギン好きなの!明日八景島行こ〜!!」というような水族館デートの軽い気持ちではない。完全に動機が重いのだ。
かくして、南極航海(後悔)日誌の始まり始まり〜。!!
_________________________
【TIPS】
根本的に”南極ツアー”って括りが大きすぎる。興味本位でも調べると分かると思う。
ツアー自体は沢山あるけれども、目標・目的は持っていた方が選択しやすいだろう。
ではここで、どのようなツアーがあるのか?軽くピックアップしていこう!
・南極点到達(南極上陸あり)[お金さえあれば南極点行きたい… 行きたかった…]
・エンペラーペンギンのルッカリー探索/見学(南極大陸上陸・南極半島上陸)
・南極圏航海(南極圏上陸あり)
・南極圏航海(南極圏上陸なし)
・空から見るだけ
”上陸あり”を選んだ方が、大地を踏み締めたという付加価値が付く。注意点としてはペンギンの種類によって生活地域が異なるという点。南極のフタ文字が入っているからと言ってエンペラーを見れるとは限らない。”エンペラーを見たい”ならばチリから飛行機で内陸地へ乗り込むか、スノーヒル島へ行く2択がベター。観察や長期間撮影をしたいのならば研究者になるかNHK・BBC・ナショジオ等の撮影クルーになった方が幸せになれるだろう。狭き門ではあるが長期的に見るとその方がよい。
[「ドレスコード有。オシャレしつつ豪華な南極を楽しみたい」or「ドレスコード無。がっつり撮影しつつ南極を楽しみたい」究極の選択ポイントはこれ。前者を選んでいたがその過ちに気付くこととなる。]
_____________________
______________________________
次回
⓪【南極航海日誌】前置き
おたのレみに
______________________________